最後のメッセージ
仕事帰りの電車
滅多にやらない寝過ごし
マナーモードの携帯の振動で目が覚めた
慌てて降りたホームで
ボッーとしながら読んだメッセージは
5年前ペットシッターを始めた頃 介護生活のヘルプに
何度ともなくお世話に行ってたトイプードルのママさんからだった
2年前にお引越しをされて以来、連絡は、ほとんどなかった
「〇〇に会いに来てもらえませんか?」
メッセージの内容から残された時間は長くない
すぐに会いに行こうと思いました
そこで初めて新しいご住所を確認したら
乗り過ごした駅は、まさにその子のお家の最寄駅でした
ママさんはきっとプードルちゃんの気持ちを感じて
私に連絡をくださって、電車は、プードルちゃんの
お家の近くまで私を運んでくれた
久しぶりに会ったプードルちゃん
身体は痩せていたけれど
出ているオーラはとても強くて逞しくて、おおらかで輝いていました
「すごーーく 楽しかったねーーー」
そう伝えてきてくれてた気がしたので
ママさんにそのままお伝えしました
日々老いていく姿を見て、この子は辛いだろうな 悲しいだろうな
明日の朝、息をしててくれるだろうか
そんな事ばかりが頭をぐるぐるしていてました
「楽しかった」なんて言葉が今、出てくるなんて
飼い主さんの気持ちも痛いほど理解できる
大切な愛犬の最期の時間に向き合うのはとても覚悟がいる
「自分の気持ちばかりになっていたかな」
そう言って私を玄関で見送って下さった
飼い主さんには少し微笑んて見えました
その翌日、「旅立ちました」と
連絡を下さったママさんからのメッセージには
「昨夜、○○に『楽しかった』と言われて思い出した事を
たくさん、たくさん一晩かけて話しかけました
この子との最期のひとときが涙だけではなく笑顔であった事に感謝します」
駆け出しのペットシッター時代に、少し過信気味だった私へ
介護はマニュアル通りにいかないと教えてくれて彼は
アニマルコミュニケーターを志した当時をも思い出させてくれました
ありがとう 感謝の涙が止まりません
ペットたちのお役に立てる様に精進するよ これからも見守っててね